風とともに去りぬ。
今の職場に気のいいおっちゃんがいて
おっちゃん、といっても3つか4つ上なだけだから
むこうもおばちゃんって言ってもいいくらいの
年の差で
朝いちばんに会社に来て
いつも大声で笑ったり、怒ったり、グチったり
面白いことを言ったりしてる。
顔は案外コワモテだけど
お菓子が大好きで
いつもお腹がすいたーって言っては
いっしょに食べようって、コナコナの
木村屋のあんどうなつを分けてくれたり
イチゴ味が好きとか
コワモテ、オールバック、イチゴ味という
まったく共通点のないキャラの、おもしろ発言で
ワタシはすっかりおっちゃんの魅力にはまって
仲良くなった。
そんなおっちゃんですが
救急搬送されて、1週間の入院後やっと
退院した翌日に亡くなったっていう
しらせを今日会社できいた。
本当に亡くなったというより
消えちゃったっていう
おっちゃんらしい去り方だ。
まったく寝なくて、お菓子ばっかり食べて
タバコもお酒も大好きだけど
仕事はそれより、いちばんたくさんこなしてた。
ふざけた親父ギャグはいうけど
カタログやファイリングはすごくきちょう面に
できていたっけ。
去年、この会社に入ってから
家でいろいろあったときも
おっちゃんには何も話してないから
知ってて言うわけじゃないけど
しあわせなぐうぜんで、楽しい話をしてくれて
おっちゃんにいやされてました。
よく、もうオレ死ぬから、死ぬからって
ふざけていってたけど。
ほんとうになっちゃダメじゃんって
おっちゃんをしかりたい。
オリンピックまでは生きたいって
楽しみにしてたのが
ちょっと心にグサッとささるけど
今はさみしいなあって。
会社で何度も泣きそうになった。
おっちゃんみたいにはできないけど
これからワタシも仕事がんばるよ。
さらば、おっちゃん。